2023.12.27

舞対談

舞対談(今回は、中高生としてアイデアソンに参加し、もう一度大学生運営メンバーとして帰ってきてくれた3人にお話してもらいました。今回の題名には、団体に「舞い戻ってきてくれた」という意味を込めました。)

しほ:それでは、みなさん。これまで、中高生・大学生として団体で何を行ってこられたか、そしてどうして戻ってこようと思ったのか、それぞれ教えていただけますか?

まむ:私は2020年のアイデアソン、テーマがメンタルヘルスの時に友達と一緒に参加しました。その時に中高生が行うSOS教育というアイデアを考案しました。この解決策に至った背景としては、10代の自殺者数が年々増加傾向であるということ、また10代の子たちがいざ辛くなった時とかしんどいというときにSOSの出し方が分からないということがアンケートなどから分かったからです。

そこで、SOSの出し方を学んだり自分のSOSの声に気が付くことができるようになったりすることを目的としたSOS教育に目を付けました。またその教育を外部講師が行うのではなく、中高生自身が行うことで親近感や他人事ではなく自分事として捉えてもらえる効果を期待しています。さらに中高生自身が行うサイクルが学校単位でずっと行うことができるよう、屋根瓦式で行うことも考案しました。

実際にこのアイデアは私たちの出身行である智辯学園和歌山高等学校で行わせていただいたり、和歌山大学付属中学校でも行ってもらっていたりします。

参加者の子たちからは「助けを求めるっていうところが大切っていうのを知った」であったり「SOSを出すことは恥ずかしいことではないんだと分かった」というような声を聞きました。その声から自分たちのアイデアによって救われる人がいる、という自身につながりもっと頑張りたい、より形にしていきたいと思うようになりました。現在は、一緒にプログラムを作ってくれた友達が尼崎の方でアイデアを続けてくれています。

しほ「そうだったんですね。今もプロジェクトが続いているんですね。湯川さんが、大学生として戻ってきた理由はどういったものだったんですか?」

私は大学生になって学生団体WAKA×YAMAに入ってきたんですけれど、戻ってきた1番の理由としては中高生の時にそれこそ自分の人生が変わるほどすごくいい経験をさせてもらったから、今度は私がそれを作る立場になりたいなという想いからです。

去年はコアという中心でアイデアソンを作る立場を1年間させていただいて、今年度は代表という形でこの団体を引き継ぎました。

2年大学生として関わってきて思うこととしては、この団体と関わることやアイデアソンという存在が、自分の人生を少し変えるきっかけだったり新しい視点から自分の人生を見つめることができるようになったり、自分の生き方について考えるきっかけだったり、そういうものになってくれたらいいなと、この場を作っていて思います。

しほ:「ありがとうございます。続いて岡本さんは、中高生の時、参加者としてどんなことをしてきましたか?」

こはる:私は2021年度のWAKA×YAMA SUMMER IDEATHONに参加しました。2021年度は「防災」がテーマだったのですが、私はその中でも盲ろう者に対しての災害時支援について焦点を当てました。

私は、東日本大震災の時に盲ろう者の方が被災されて亡くなったっていう記事を見つけたことが盲ろう者の方に焦点を当てたきっかけです。また、和歌山県の防災マニュアルを見ると 視覚障がい者の方や聴覚障がい者の方に対しての災害自支援マニュアルはあるのに対して、盲ろう者の方に対しての災害支援マニュアルがないというところに疑問を感じて、課題解決を行いました。

課題として解決するために行ったこととしては和歌山県盲ろう者友の会の方や和歌山県の障害福祉課の方にヒアリングをさせていただいたり、疑似体験を通して盲ろう者について知ってもらうことを目的とする盲ろう者まなび隊を企画して、高校での実施を行いました。

私は現在大学で主にまちづくりや地域再生の分野に取り組んでいます。大学でまちづくりや地域再生に取り組むきっかけになったのは、実はこの団体の経験があったからなんです。

プログラムが終わってから「防災」だけではなく「復興」っていう被災してからっていうことをすごい考えるようになって、ヒアリングしていた中で被災者の方が「いつまで自分たちが被災者って呼ばれるのか」ていう疑問を聞いて、被災地を復興させるまちづくりとかに携わりたいなと思って、この分野に取り組んでいます。

しほ「アイデアソンでの経験が、今のやりたいことに繋がっているんですね。岡本さんが大学生として戻ってこられたきっかけは何ですか?」

こはる:私は今年の2月に大学生運営メンバーとしてこの団体に戻ってきました。この団体に戻ってきた理由は、私は高校生の時にこの団体に参加して将来の目標を見つけることが出来たので、今度は自分が参加している中高生の将来役に立つ経験ができるようにサポートしたいと感じたからです。

しほ:「なるほど…大学生として戻ってきてどのような活動をされてたんですか?」

こはる:今年は、メンターと団体Tシャツのデザインを中心に行いました。

まむ:「岡本さんは、メンターやってみてどうでしたか?」

こはる:めっちゃ難しかった率直な感想で中高生のいい距離感っていうのを保つのがすごく大事やとメンターを経験して思いました。自分の反省点として すごく仲良くなりすぎたなっていうのが引っかかってるところで、すごく仲良くなって何でも話せる関係になるのっていいと思うんですけど、友達みたいな感覚になって逆に言いたいことが言えないっていう時がありました。

しほ:「ありがとうございます。続いて、河村君は、中高生の時参加者としてどんなことをしてきましたか?」

よしき:「僕は高校2年生の時2022年度のアイディアソンに参加して、この時のテーマが災害時の避難場での困りごとを解決しようみたいな内容でした。僕は2人ペアで参加していて解決策とかいろいろ話し合いました。この時に僕たちのチームをサポートしてくれたのが今年度の代表である舞夢さんでした。避難所での困りごとを考えたり,解決策を考えたりする上で考えを出していくときに舞夢さんは僕たちが意見を出しやすいように重要そうな意見の1部を伝えたり、意見の1つ1つに『これめっちゃいいやん!』とか『こういうアイディアもありそうじゃない?』とか、丁寧にめっちゃ褒めてくれてアイディアソンがとても楽しかったです!今思うと舞夢さんがいなかったら解決策も出せなかったし,舞夢さんが僕たちチームを引っ張てサポートしてくれていたんだなぁって改めて感じました。舞夢さんありがとうございます.

手厚いサポートのおかげで生まれた解決策は、災害時に避難所で満足いく勉強ができない受験生のために勉強できるスペースを開放するというものでした。

解決策のペルソナが受験生で、受験を経験したからこそ受験の苦しみを知っているのと、あとはヒアリングやインターネットで調べたりして災害の苦しみを知った時に、受験生の苦痛は量り知れないなって思いました。そこで受験生が勉強とか苦しみを話せる空間があればいいなって思いこの解決策を考えました。

このアイディアソンを通して人を巻き込む力、課題を見つける力、たくさんの意見を否定するのではなく肯定する力…あげるときりがないくらいこのアイデアソンと舞夢さんに力を付けて貰えたかなって思っています。

この経験を通して得た力は学校生活や新しい防災の研究に繋がってるな。僕成長してるなって思います.」

しほ:「そうだったんですね。メンターの湯川さんとの3人でとてもいい経験をなされたんですね。河村君は、なぜこの団体に戻ってきてくれたんですか?」

よしき:「僕はまだ大学生じゃないのですが、異例の推薦でこの団体メンバーになることができて初め誘われた時に驚きとかもありましたが、正直めっちゃうれしかったです!去年、参加者としてたくさんの団体メンバーにお世話になった恩をここで少しでも返せたらなって思って張り切ってやらせていただきました。

メンバーとして動いて思ったのが、参加者の中高生と同じ距離感で見れたのと、団体メンバーとしてこのアイディアソンを見れて新鮮やなって思いました。

去年見てきた大学生のイメージは参加者をアイディアソンを最後まで走れるようにサポートしつつ楽しい思い出になるためにいつも笑顔で接してくれる優しい大学生って感じでした。今もこのイメージは変わらないんですが、運営としての大学生はどうやったら参加者である中高生をサポートできるのか、10月のシンポジウムに向けての計画作り、ヒアリング先やゲストとの密な連絡…大学生メンバーは僕が思っている1000倍忙しくこの素晴らしいアイディアソンを作り上げてるってことが知れました。

で、僕は何してたのかっていうと僕が未熟なばかりに迷惑をかけてた部分が大きくて、団体に貢献できなかったのですが、このアイディアソンを通して大学生メンバーの背中を見て未熟な部分の理解と成長につながったと思います。」

しほ「そうだったんですね。団体内での雰囲気づくりとかっていうところがなんかすごく上手だなっていう風に思うのですが、そういう所で場を盛り上げようとかっていう所で何か意識されている事とかありますか?」

よしき「ここまで褒めてくれてありがとうございます!場を盛り上げてきてよかったなって思います!ポイントはやっぱりめっちゃ元気にしていることだと思います。

僕はほかの大学生メンバーと違って何かを運営した経験もなければ、技術やセンス、思考能力も足りないじゃないですか。

でも、僕を誘ってくれた舞夢さんや稜大さんに『やりたいです!』って言っておきながら何にも役に立たなかったら申し訳ないなって感じた時に、僕のポジションについて考えたんですよね。

まだ高校生っていうのは運営メンバー、参加者共に知っていることで知っている中で僕に求められているのは、慣れないアイデアソンで緊張している人みんなに元気を与えることだと思いました。」

そこで、いつもの2倍の元気を周りに見せることで楽しんでもらえるのではないかなって考えました。」

しほ:「最後に、3人にこれから、これまでの経験を生かしてどのようになっていきたいのか、学校のことでも、この団体のことでもいいので教えていただきたいです。」

まむ:「参加者として、そして運営大学生として、どちらからの目線があるからこそ言えることなのかもしれないですけれど、アイデアソンという存在は本当に大学生の今だからこそ史かつくれないものだと思うし、中高生の子の時期だからこそ経験できることばかりで、とても価値のあるものだと思っています。だからこそ引き続き和歌山で開催されて、多くの人が関わってくれて、アイデアソンがあってよかったって思ってほしい。

自分の夢は本当に現在考え中なんですけれど、やっぱり私は課題解決をすることがすごく面白いなっていう風に思っていて。何かに対してこれは問題だな、と思うことって結構あると思うんですけれど、なかなか解決まではできないというか、解決までできるとは思わないというか。

アイデアソンではどんなに小さなことでも行動にすれば変わるものがあると知りました。だからこそ自分が課題だと思ったことにどうしたら解決できるのか、を考えることにとてもわくわくしています。そんなわくわくすることをしていけたらな、と思っています。」

しほ:「アイデアソンの参加に興味のある中高生、運営に興味のある大学生に向けてのメッセージはありますか?」

まむ「これから参加してくれる人に向けてはそうですね。

アイデアソンでしか得られない経験ってたくさんあるのかなと思っていて。毎年テーマは違うけれど、そのテーマにおける課題の解決策の正解って いうのを誰も知らない状態でやっているっていうのがアイデアソンの面白さだから。数学みたいにこの答えはこうって 決まっていないからこそ、自分たちで取り組んだ先に答えをつくれるところかな。

そういう取り組みが面白いな、一緒にやっていきたいなっていう仲間が増えてくれたり参加してくれたりする仲間が増えてくれたら、とてもうれしいなと思います。」

こはる:「私自身としては、高校生の時に培った課題解決能力を活かして、自分の目標である被災地復興に向けて活動していきたいなと思っています。

団体メンバーとしてはなんか具体的なことは あまり想像とかできてないんですけど、自分で調べて学ぶことはできるけどそれ以上に中高生から学ぶことがすごい多いので、これからも活動したいなと思っています。

これからアイデアソンに参加するとかもしくは運営に関わりたいと思う人に関しては、

自分が高校生の時に参加した理由が、部活動も習い事もしていなくて、勉強1本っていう感じで自分には勉強しかないと思って 勉強にのめり込んでた時期にちょうどチラシを見つけて、高校生の今だからできることをしたいと思って参加を決めました。その結果、新しい自分の一面を見つけることが出来たり、自分でも誰かを救えるっていう力があるっていうことを学べたので、自分の新しい一面を見つけてみたいって いう子にも参加してほしいなっていう中高生や大学生の方にもすごい一緒に参加して欲しいなと思ってます!」

よしき:「アイデアソン参加者、運営両方の経験ができた率直な感想はめっちゃ幸せでした!大学生メンバーとアイディアソン参加者と一緒にこのプログラムを作ることができる経験はこの団体じゃないときっと経験できなかったと思います。

将来のことはまだ分からないので、得られた力をどうやって活かすかは分からないですが,経験はすればするほど自分の力になると思っているので、まずはこの団体の活動に得た力を発揮できればいいなって思います。

このアイディアソンの事を知れたのならぜひ参加してください!僕もたまたま新聞でこの団体を知れて参加できたのですが、あの時、新聞を読んでいなかったら今の僕はいないので素晴らしい経験もできなかったです。

このアイディアソンは自分にとって力になる事しかありません!自分の知らない世界がどれだけ大きくてどれだけ自分が未熟だったのかが成長を通して知ることができると思います。

団体メンバーになろうか考え中の人も。入るべきです!!

仲間と共に1つの大きな目標を達成するために活動する事の喜びはもちろん。自分の知らない和歌山が知れたり、団体の活動だから関われた人や場所は数えきれないほどあります!学生団体WAKA×YAMAは成長できる場所の1つなのでぜひ一歩を踏み出してみてください!!」